道北日報ヘッドライン
士別市長・市議会議員補欠選挙立候補者   田苅子進市長に聞く   市議補選2候補に聞く 市議補選開票結果
 
その1 2002.5.14  →その2

図書館改築「財源確保から」
協働・参加型を強調

 無投票で2期目の再選を果たした田苅子進市長(64)。過疎の進行、市内経済の低迷、財政の健全化と、今後の任期においても、解決すべき課題は山積している。21世紀の士別市の方向性を定めていくうえで、これからの4年間はその基盤づくりのために重要な時期となるだろう。1期4年間の経験を踏まえ、今後のまちづくりの舵取りに、どのような展望を描いているのか、再選を果たした田苅子市長に話しを聞いてみた。
 
 ◆市政担当2期目の心構えは

 まずは「初心」にかえること。市政の舵取りは、より謙虚に、より公正に、より慎重にをモットーとして、市長の立場は常に市民の円の中心に位置する−と言う考えで、職務を執行していく姿勢を大事にしていきたい。
 困難な問題に直面したときこそ、信念を貫く精神面での強靱さが必要となる。多少、頑固な面はあるだろうが、これも地方自治を守り、郷土の発展を思う気持ちの表れと理解していただきたい。

 ◆今後4年間の抱負は

 前任期の延長線上で仕事をするつもりはない。これからの行政の方向は、市民や市民団体との「協働・参加型」で進めていくことを強調していきたい。
 今後は、市民ニーズを的確に捉えた政策をいかに展開していくかが、大きな課題になるだろう。従来のように、一方的な行政サービスの提供を行っていくのではなく、市民参加の中から知恵が出され、協力が生まれていくと言うように、実効ある行政推進とまちづくりを図っていきたい。
 共に考え、共に行動する−これがまさしく協働・参加型のまちづくりであり、市内でも合宿の里推進協議会の運営や、商店街振興検討委員会での協働作業から浴場を核とする中心市街地交流施設の発想が生まれたり、士別地方技能士会の「匠の伝承館」などが出来たりしてきているなどの実績がある。
 前回の市長選挙では、9項目の政策大綱と54項目の施策をまとめ市民に訴えてきたが、公約の達成ができなかったものについては第4次総合計画の後期5カ年計画に盛り込んだ。この計画の達成こそが、私の政策そのものであると認識している。

 ◆農業・農村の振興は

 農業・農村活性化条例に基づく第1期計画は今年が最終年となる。第2期計画(03年度〜06年度)については、総合計画後期5カ年計画との整合性を図りながら取り組みを進めていく。特に、農業の根幹をなす土地基盤の総合的な整備として、暗渠や心土破砕などの排水対策を今後も積極的に進めたい。
 酪農においては、昨年ディリーサポート士別が誕生したが、これは画期的なことであり市としても施設整備に対し補助事業の導入など、積極的な支援を行っていきたい。また、グリーンツーリズムの取り組みにも大きな期待を寄せており、何らかの形で支援していきたい。

 ◆中心商店街の振興は

 議会の理解を得て、浴場を核とした中心市街地交流施設整備事業の実現を図り、中央商店街の新たな賑わいと、動線づくりを進めていきたい。

 ◆保健・医療・福祉については

 これからは次代を担う子供たちにやさしく、高齢者や障害を持つ人たちが住みよいまちづくりを進めていかなければならない。そのためには「士別市福祉のまちづくり条例」の早期成分化を目指していく。
 これまでも福祉政策は積極的に取り組んできており、全道的にみても高い水準にランクされているだろう。今後も市の財政は厳しい方向に向かうことが予想されるが、可能な限り現行の制度維持につとめたい。

 ◆教育・文化・スポーツの振興は

 士別中学校の校舎改築を早期に着手したい。今年度に耐力度調査を行い、03年度から07年度までの5カ年の事業計画となるが、本体工事は04年度から06年度までの3カ年計画で進め、総事業費は約20億円を見込んでいる。
 懸案となっている図書館の改築については、国庫補助等の見通しのうえで、かなり困難な状況となっている。実現に向けては、まず「財源の確保」で最善の方法を検討していきたい。
 スポーツ合宿を中心に、三好町や誘致企業等との交流を進め、入り込み人口の増加につとめていく。元気なまちとは「人の出入りの多いまち」であり、人には様々な情報がついてくる。その情報を的確に捉え、外部から見て「活気のあるまち」と評価されるよう、行政の推進につとめていく。